あなたのお店は大丈夫?話題のライアビリティ・シフトとは?

2015/12/21
  • 決済代行コラム 業界ウォッチ
このテーマは:オンライン・オフライン問わず、クレジットカード業界全般の業界動向について考察します。

 ご無沙汰しております。福浦です。
 少し空いてしまいましたが、再びコラム出番のチャンスをいただきました。

福浦です
 前回、ゴーストライター疑惑がありましたが…
 安心してください、書いてますよ。(笑)

カード情報の漏洩事故と偽造被害が増えている

 近年では、どんなお店でもクレジットカードが使えるばかりか、オンラインでカード情報を登録して繰り返し入力せずに使うことが容易になり、大変便利な世の中になりました。

 しかし、その一方でカード情報の漏洩事故も増えています。

 磁気テープからカード情報を抜き取るスキミング、金融機関を装ったサイトでカード情報を詐取するフィッシング、オンラインで保存されているカード情報への不正アクセス…といった手口で流出したカードが

偽造されて店頭で使われる

 という事故が、特に近年は増えています。

店頭で偽造カードが使われるとどうなるの?

 皆さんはもし店頭で偽造カードによる不正利用が起きた場合、どうなるかご存知ですか?

 今までは、伝票にサインさえあれば偽装カードが使われたとしても、イシュア(カード発行会社)が売上金を保障していました。

 本年10月からは設置しているクレジット端末によって、アクワイアラ(加盟店契約会社)が責任を負うことになります。具体的に言えば、EMV(※)準拠の接触型ICカードに対応する端末を設置してあるかどうかが問われるようになったという訳です。

 「アクワイアラが責任を負う」と言っても保障をするとは考えづらく、加盟店が被害を受ける可能性も十分にあります。ご注意ください。
※EMV…ICカードと端末に関する仕様を定めた決済処理の国際標準規格

偽造カードによる不正利用を防ぐには?

 もはやクレジットカードの磁気データを読み取る従来の決済方法だけでは、不正利用を防ぐのが難しくなり「より偽造の難しいICカードの読み取りをすべき」という方針を国際ブランドが打ち出したと受け取れます。

 恐らく、将来的には全てのカード取引が、ICカードの読み取りを必須化する為の暫定処置として、今回の規約変更がされたのでしょう。
 この規約変更を

ライアビリティ・シフト

 と呼びます。…私は噛んでうまく言えませんが(笑)

ライアビリティ・シフトとは?

 そもそも“ライアビリティ”とは、翻訳すると「責任・負担・義務」という意味です。それを“シフト”するので、「債務責任の移行」と訳します。EMV準拠の接触型ICカードに対応する端末に限り、設置していないアクワイアラに責任が移行するようになりました。

 普段、私たちが利用しているICカードには接触型と非接触型があり、EMV仕様が定められた接触型にはデータが読み込まれます。また、一般的にクレジットカードやキャッシュカードが対象で、カード内にICチップが埋め込まれています。これを読み込むことで従来の磁気ストライプ読み込みと比べて情報量が大幅に増え、偽造が難しくなります。

 以前は、POS(※)端末での偽造カードによる不正利用はイシュアの大半が責任をとっていましたが、今後VisaやAmerican Expressをはじめとする国際主要ブランドは、このライアビリティ・シフトを導入し、不正利用の軽減を目指していく方針です。
※POS…Point of Sale=販売時点情報管理

誕生の背景

 経済産業省は2020年までに、国内で発行されている全てのクレジットカードをICチップ付きに切り替えることを発表しました。これは、近年、偽造カードによる不正利用増加に対する消費者への不安を取り除き、東京五輪に向けて外国人観光客にも安全に買い物してもらうための環境づくり、さらにはカード決済に対応した加盟店の普及を目指すことから立てられました。


 ただ、クレジットカード完全IC化にはデメリットも存在します。クレジット端末の入れ替えに経費がかかることや不正利用被害額を、今後はアクワイアラか加盟のどちらか負担するということです。

いつから実施された?

 2005年よりヨーロッパや、カナダ・中南米及びカリブ海地域、中欧・東欧、中近東・アフリカでは既にライアビリティ・シフトが適用されています。Visaが率先して発表し、その後MasterCard、American Express、Discoverも適用すると発表しています。
 そして、2015年10月1日より、日本国内と米国内外のPOS取引を対象に、Visaがライアビリティ・シフトを適用しました。(ただし、ガソリンスタンドのセルフ給油機の取引のみ、2017年10月1日から適用されるとのこと)

 将来的にEMV化が進み、非接触型決済は主流になることが期待されています。それに伴い、EMV仕様に沿ったICカードの利用とそれに対応した端末の導入が必要になってくるでしょう。

今後加盟店がとるべき対策

 クレジットカード完全IC化及びライアビリティシフト適用において、加盟店は今後どのような対策を取るべきなのでしょうか。
 もし、EMV非対応の端末を設置していた場合、切り替えが必要となりますが、もちろん切り替えには経費がかかります。その為、なかなかスムーズに移行できないのが現状でしょう。
 しかし、この先、磁気ストライプ式のクレジットカードは新たに発行されることはなく、ICカード利用者は増える一方です。近い将来、IC対応端末の設置が必須化されることも考えられるので、加盟店は早めに移行しておくことをお勧めします。

まとめ:不正利用防止の為にIC接触型端末へ移行すべき!

 アクワイアラが責任を取る取らないに関わらず、加盟店は不正利用防止策として、IC接触型端末に移行することをお勧めします。
 IC接触型端末なら取引の都度、セキュリティレベルが上がる為、クレジットカードの不正利用防止にとても効果的です。まずは東京五輪に向けて外国人が安心してカード決済できる環境を提供していきましょう。

当社が協力します!

 加盟店は2020年までに業種ごとにリスクの度合いを想定し、端末が安価で入れ替えることのできる時期、すなわちそれぞれに合ったタイミングで切り替えを検討しましょう。
 なお、当社ではEMVに対応した端末機を安価でご提供可能です。

次回予告!

 次回は、今回の記事で少し登場しました”EMV”について、ご説明と考察をして参ります。
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